ピアノの誕生、そしてはじめて日本にピアノが伝わったのは?
ピアノといえば、楽器界のエースといってもいいでしょう。
この楽器は当然、日本で生まれたわけではありません。発祥の地はイタリアといわれています。
ヨーロッパの大富豪一族、メディチ家の楽器管理人として雇われていたバルトロメオ・クリストフォリ・ディ・フランチェスコ(1655~1731)がピアノの原型を作りました。
この長~い名前の楽器職人は、ピアノ以外の楽器も制作していたそうです。その技術力が買われてメディチ家のお抱え楽器管理人になったのでしょう。
ピアノの原型は、アルピチェンバロと呼ばれていたそうな……
そうしてピアノの原型となった楽器こそ、「アルピチェンバロ」であり、従来型チェンバロの進化形なのです。
その楽器はやがて、「グラヴィチェンバロ・コル・パイの・エ・フォルテ」という名前で文人誌に紹介されて、「ピアノ」という名前が浸透していったとか。
その頃のピアノってどんな形状をしていたのでしょう。実は日本でもクリストフォリが作ったピアノを再現したものを見ることができるのです。
浜松にある浜松市楽器博物館には、ピアノで有名な河合楽器が再現したクリストフォリのピアノがおさめられています。
日本にピアノが伝わったのは江戸時代
では日本にピアノがやってきたのはいつ頃なのか。 1823年、長崎の出島にドイツ人の医師、シーボルトが持ってきたそうです。
日本でピアノを演奏するためでしょうか。。。そのとき彼が持ち込んだピアノは箱型タイプのスクエアピアノでした。
ドイツ人医師は自分の趣味のためにピアノを持ってきたのではありません。なんと帰国時に長州萩藩の商人にプレゼントしたそうです。太っ腹ですね。
でもピアノだけ置いていかれても、誰も弾けるわけではありません。その頃は三味線を爪弾きながら謡を楽しむというのが日本人の音楽でしたでしょうから。